ithの原点
ithのはじまりは、代表であるジュエリー職人の高橋亜結のアトリエ。
お客様と職人が直接やりとりをしてお客様が本当にほしい指輪をつくる、というかたちがithの原点です。
作る人と使う人が直接やりとりし実際につくるからこそ、そこで生み出される価値もダイレクトにつながり、伝わる。今も私たちが大事にしている、ものづくりを通じて、何かが生まれ、つながるという価値観です。
価値をつなげていくために
そんな原点からスタートしたithですが、今ではお客様をお迎えするアトリエは8店舗に、そして指輪の制作自体はそれぞれのアトリエでなく、つくりに専念する自社の職人と外部の協力工房とで行っています。
これは、オーダーメイドによる一人一人に寄り添う結婚指輪づくりを、限られた人だけでなく、もっと多くの人に体験してほしいという思いと、ジュエリーメーカーとしてもさらに高いレベルで、より安定的にものづくりを行っていきたい、という考えに基づいています。
とはいうものの、少ない人数だからこそ実現できていた価値を、より多くの人間、会社が関与しながら実現していこうという取り組みは、口でいうほど容易いものではありません。
お客様のお望み、リングへの期待や思いを汲み取り職人へ伝える。職人が腕によりをかけて仕上げた指輪、その技術を磨くための努力や、そこに込められた思いをできる限りお客様に伝える。シンプルにこれだけのことですが、それを実現するためにはたくさんの知恵と工夫、たくさんの努力が必要になります。
規模が膨らむにつれて、それまでなんとか無理すればできていたことができなくなることもあります。ものづくりの責任という観点からお断りしなければならないオーダーもでてきます。
ときに社内外から「小さくやっておけばそんな苦労もせずに、自分たちらしい在り方が保たれるのに」という声もありますが、原点の気持ちやそこから生まれる価値を忘れずに、そこに人の心を豊かにしていく力があると思うのであれば、それをより多くの人に届けたい、その可能性を拡げたいという気持ちや努力も意味があることなのではないかと考え、難しいチャレンジに挑んでいます。
つくる、つなぐ
先日、研修の一貫で、ある協力先の工房を訪れました。指輪づくりのひとつひとつの工程、ひとつひとつの職人の作業を改めて目にし、この作業のひとつひとつがお客様の指輪に価値を宿しているんだなと感じ、このことをお客様にもっと伝えていかねばと感じました。
自分自身がその指輪づくりに直接的にタッチしていなくとも、伝える=つなげることで価値を届けることはできる。
「つくる」には、喜びや感動、人の心を響かせる力があります。それと同時に、その価値や力を「つなぐ」ということにも何かを生み出す大切な役割があるのではないかと思います。
つくる価値、それをつなげて生まれる喜び。
ithは、つくる、そしてつなぐブランドでありたいと思います。
ith 吉田