2024年6月28日、神戸三宮にithの新しいアトリエができました。
始まりの場所、吉祥寺アトリエのように古い建物特有の存在感を活かした駆体が剥き出しの無骨な壁、福岡アトリエのようなエントランスの設えなど、今までをぎゅっと凝縮したような内装に、各地のアトリエでディスプレイしていた小物類を少しずつ集め部屋に飾り、ithの10年間が詰まった記念のアトリエに仕上がりました。
各地から取り寄せた可愛らしい小物類は、それぞれのアトリエがはじまるときに私が揃えた愛着のあるものばかり。新しい場所に飾りつけをしながら、懐かしい思い出がたくさん浮かびました。
この特別なアトリエは、路地裏ではなくアーケードの中にあります。
最寄り駅を降りて商店街を進み、一歩アトリエに足を踏み入れると静かで落ち着いたいつものithらしい世界が広がり、中からは通りが賑やかで人通りが多いことを感じさせない、指輪の試着に集中できる空間が整っています。
そんな神戸三宮アトリエには、ここだけで取り扱う限定アイテムを2つ用意しました。
1つは、神戸が昭和初期から真珠産業の盛んな土地だったことをヒントにした、《コロラート》という婚約指輪の新しいコレクションです。
イタリア語で “彩り” や“色とりどり”という意味がある《コロラート》は、真珠層の幾重にも重なる虹のような複雑な色が名前の由来です。優しく輝く真珠特有の光沢は、ダイヤモンドやカラーストーンとは違った魅力があり、色とりどりの思い出がこれからの人生に刻まれていきますように、という願いも込めています。
デザインは1粒タイプのシンプルなものから、メレダイヤモンドを14石並べた華やかなものまで、3種類。真珠のカラーも3種類で、イタリア語で青色という意味の《azzurro アズーロ》、ピンク色という意味の《rosa ローザ》、白色という意味の《《bianco ビアンコ》をご用意しました。指輪のデザインと真珠のカラーの組み合わせを自由にアレンジできるので、ぜひアトリエで試着してほしいなと思っています。
もう1つは、ガラス製のリングピローです。
同じ関西にガラス工房を構えるfresco(フレスコ)さんに依頼し、港町・神戸の空と海をイメージした特注カラーでリングピローの制作を依頼しました。青色をした宝石の名前から淡い色をアクアマリンブルー、濃い色をラズライトブルーと名付けています。ithの指輪と同じように1つずつ手作りのため、気泡や凹凸に個性があります。
指輪を置くのはもちろん、インテリアとして飾るだけでも涼やかで今の季節にぴったりです。
神戸に来るのはこの機会がはじめてでしたが、商店街の中や小径には居心地のよさそうなお店をたくさん発見しました。1つずつ巡るのを楽しみに、またすぐに訪れたいと思っています。
新しい場所でも誠実に、大切な指輪をお仕立てしていきます。
ith 高橋亜結