今回ご紹介するお二人が指輪をつくる上で重要視していたことは、【普段の使いしやすさ】【デザイン性】どちらのバランスも取れた指輪であるということでした。
機能性とデザインを両立させることは、指輪だけでなくものづくりにおいて重要なポイントです。
お二人の生活スタイルや好みに合わせた指輪づくりについて、オンラインでのご相談を重ねました。
機能性のこだわり
オンラインストアでのご試着も経ていたお二人は、シンプルなストレートのデザインより、マット加工や全体がカーブした指輪に注目されていました。
オンライン相談とご試着を通してお二人が選んだのは《レガート》でした。
着け心地が一番良いと気に入ってくださいましたね。
《レガート》は有機的なU字のカーブが指にフィットするように考えて作られています。
丸みのある形状と、手のひら側にも緩やかなカーブをかけていることで、手を握ったときに違和感が出ないのが特徴です。
女性は幅感が華奢なものを好まれていましたが、長く身につけることを考え、幅は変えずにお仕立てしました。
程よいボリューム感も指にフィットする理由のひとつです。
デザインはお二人ならではのアレンジを加えて
“全く同じではなくていいから、どこかリンクするようなデザインにしたい。”というご希望がありました。
形がお揃いになったので、それぞれ好きなアレンジを施すことに。
男性の指輪は、鏡面仕上げとマット加工でコントラストをつけ、メリハリのあるアレンジを施しました。
正面左側にマット加工と槌目の模様を施しているので、あたたかみが感じられるデザインになりましたね。
槌目模様は、ithのコレクションにある《槌目春》を施しています。
ゆらぎのある多面とマット加工でお手元に馴染む仕上がりに。
女性は、2色の地金を使ったコンビカラーや、マット加工も気になっていらっしゃいましたが、一番のこだわりはダイヤモンドを留めること。
石留めが引き立つようにマット加工などは施さず、ithのコレクションにある《ピアチェーレ》を参考にダイヤモンドをお留めしました。
《ピアチェーレ》はイタリア語で“喜び”という意味。
結婚の喜びを遊び心ある石留めで表現しています。
鏡面の仕上げに、大きさの違うダイヤモンドを8ピースお留めしました。
ランダムに並んだダイヤモンドで、華やかさもありつつ軽やかな雰囲気に。
王道の中に、遊び心が感じられるデザインになりました。
機能性とデザイン性のこだわりを詰め込んだ指輪
U字カーブによる指にフィットする着け心地・シンプルな中にあるクラフトな質感の温かみ・鏡面仕上げの上に引き立つ個性的に並んだダイヤモンド…
オンラインストアでのご試着と、2回のオンライン相談を通して、お二人にとってベストな結婚指輪をお仕立てすることができました。
沢山のデザインの中から、永く身につけるデザインを見つけるのは難しく感じられるかもしれません。
しかし“二人にとって大切なポイント”は何かを見つけていくことで、自分たちらしいデザインになっていきます。
紆余曲折ある指輪づくりの道のりをお手伝いができることが、つくり手の喜びの一つだと感じます。
「イメージ通りの素敵な指輪で、とても嬉しいです!
着け心地も良くしっかり手に馴染み、毎日着けるのにぴったりだなと感じました。」
ご納品後にはこんなメッセージをいただき、とても光栄な気持ちになりました。
指輪づくりも、お二人の大切な結婚の思い出の一つになっていたら嬉しいです。
お二人の末永いお幸せを願っております。
つくり手 小野寺