冬の寒さがまだまだ厳しい2月の初め。
よく元町を散策されるというお二人は、
横浜元町アトリエにお越しくださいました。
ほっこりと可愛らしい服装や髪型、
柔らかな雰囲気のお持ちのお二人。
指輪選びを進めながら感じたのは、
芯を持って真っ直ぐに、
自分たちらしさを大切にされている、ということでした。
他の誰でもない「自分たち二人が着ける結婚指輪」をイメージしながら
いわゆる結婚指輪らしいものではなく、
職人の手仕事を感じるクラフト系のデザインに心惹かれていた女性。
クラフト系といっても、種類はさまざま。
金槌で叩いたり、削って面を作りだす多面体のデザインよりも、
整然と続く彫りやミルグレインの繊細な印象がお好みでした。
月桂樹の葉の模様が、和彫りで施された《フォリア》
工具の刃の角度や深さを変えながら、
彫りの線に強弱をつけることで有機的なラインを生み出します。
縁取りのミルグレインと彫り模様が
マットな質感の中で繊細に輝きます。
男性は、基本的には女性に合わせたいです、とお話しされていましたね。
「これはちょっとキラキラし過ぎてるな」
「イエローゴールドは少し派手に見えるね」
ご自身の指に似合うもの、お好み、女性から見たときの印象など、
意見を出し合いながらご試着を進めるお二人。
お互いのことをよく理解しているお二人だからこそ、
お相手らしい、そして自分たちらしいデザインに辿り着きました。
お色味はシャンパンゴールドでおそろいに。
イエローとピンクのあいだ、
優しい橙色がお手元にすっと溶け込みます。
お二人が纏う柔らかな雰囲気と、
真っ直ぐ芯の通った凛々しさが共存した結婚指輪が完成しました。
ゆっくりと時間をかけて、
さらにお二人らしい指輪に仕上げていってくださいね。
つくり手 松井