お二人との出会いは
男性がithに足を踏み入れてくださったところから。
少し照れくさそうに、けれどとても真剣な表情で
そうお話しくださいました。
ここから、男性お一人での
婚約指輪づくりがはじまりました。
婚約指輪づくり
男性は、気になった指輪を一つ一つ
お相手を思い浮かべるように
丁寧に見比べてくださいました。
選ばれたのは《ヴィオーラ》
可憐に咲くスミレの花のように
細身のアームに並んだ
クラシカルな風合いがお好きな女性のために
指輪全体は槌目秋でお仕立て。
婚約指輪らしい華やかさとお手元への馴染みやすさ。
どちらも兼ね備えた
世界でたった一つの指輪ができました。
プロポーズ
婚約指輪のご納品の際には
紙袋から溢れんばかりの大きな花束を持って
アトリエにお越しくださいました。
「これから、彼女にプロポーズをするんです」
緊張されながらも、とても幸せそうなお姿に
私まで幸せな気持ちになったことを
今でも鮮明に覚えています。
結婚指輪づくり
お二人で結婚指輪を選びに来られたのは
それから1ヶ月後のことでした。
指輪選びがはじまる前から
お二人の口から指輪の名前がたくさん飛び出し
楽しみにしてくださっていたのが伝わってきました。
選ばれたのは《メビウスウーノ》
女性は、結婚指輪=エッジがありシャープなもの
というイメージをお持ちでした。
《メビウスウーノ》は
平甲丸と呼ばれる緩やかな曲線の断面をしており
優しくお手元に馴染みながらも
存在感を感じさせるシャープさが特徴です。
指輪の表面には
上品な輝きが特徴のヘアライン加工と
一癖あるひねりのフォルムで個性を出しつつ
お手元に馴染む穏やかなマットの質感も
お二人の大切なポイントでしたね。
お互いを深く理解し、想い合うお二人らしく
指輪のデザインは全てお揃いでお仕立てしました。
寄り添い合う、全く同じデザインの指輪は
まるでお二人が仲睦まじく微笑み合っているように感じられました。
これから
ご納品から数ヶ月が経ちました。
指輪がお手元に馴染み
お二人だけの風合いが足されてきた頃でしょうか。
これからも指輪とともに
お二人だけの物語を紡いでいってくださいね。
またお会いできる日を楽しみにしております。
つくり手 古川