結婚指輪選びは二人の共同作業

ご結婚を決めたお二人が行う、大切な共同作業のひとつが結婚指輪選び。
"せっかくの結婚指輪だからやっぱりお揃いにしたいな"
"お互いの好みも取り入れられるといいけど、趣味が合うかな・・"
初めての共同作業だからこそちょっぴり不安なお気持ちを抱きながら、指輪探しを始められるカップルも少なくないのではないかと思います。ithを訪れるお客様も、そんなご相談からスタートすることが多々あります。
好みの違い、どうする?
ithではまずご用意しているコレクションリングの試着を行いながら、男性、女性それぞれのお好みをお伺いしていきます。男女それぞれの趣味がバッチリ合うこともありますが、実際には試着を進めていく中で男性と女性のお好みが合わないことも少なくありません。
女性は結婚指輪らしい、シンプルで可愛らしいデザインがお好み。ジュエリーや指輪にあまり馴染みのない男性は、あまりキラキラ光らないマットな加工が施されたものが一番のお気に入り。
このままだと、お揃いの感じはでないし・・・どうしようか・・・
既製品のリングでお揃いを大事にするのなら、男女どちらかのお好みに合わせて選ぶしかありません。
男性「俺、別にいいよ、合わせるから。で、いくらだっけ?(ちょっと投げやり)」
女性「うん・・・(彼が気に入ってくれないのは、寂しいけど・・・)」
'結婚指輪選び・あるある'といっても過言ではないくらい、結婚指輪を扱う多くの宝飾店・売場で発生しているシーンではないでしょうか。
ithでは、せっかくの結婚指輪だからこそ100%満足のいくかたちで選んでほしいと考えていますが、そのために特に二つの満足を大事にしながら、指輪作りに取り組んでいます。
デザイン面での満足

そのうえで、お互いのお好みの中から、共通している部分やお互いに歩み寄れそうな'お揃いのポイント'や、'それぞれが一番気に入っている(重視したい)ポイント'などを見つけ出していきます。
それらのポイントを組み合わせながら、最終的なデザインを固めていくことで、男性も女性も、どちらかが無理をしたり、妥協したりすることなく、これがいい!と100%思える指輪へと近づけていきます。
ithならではのオーダーメイド方法と、それを現実の形にする生産体制が、デザイン面での満足を生み出していきます。
意味としての満足
男女それぞれの趣味がバッチリ合うこともありますし、多少好みが違ってもうまくアレンジが行く場合もありますが、なかには技術的、デザイン的に、どうしてもお好みのポイントが合わせにくいというケースも当然あります。
つくり手としても腕の見せ所ですのでがんばっていろいろな提案をしますが、最終的にはお二人自身が自分たちで話し合いながら歩み寄ってデザインを決めていくということも少なくありません。
冒頭に、結婚指輪選びはお二人の共同作業と書きましたが、二人らしい結婚指輪をつくっていくそのプロセス自体が、まさこれからお二人で歩んでいく結婚生活の縮図のようなものでもあります。
別々の人生を歩んできた他人同士が同じ道を歩もうというのですから、そこには多かれ少なかれなんらかの意見の違いというものが出てきます。
そんな中でも都度コミュニケーションを取りながら、お互いが納得できることや、喜びあえるところを見つけていく。時にはどちらかが歩み寄り、二人の歩幅を合わせていく。
同じ人生を末永く一緒に歩んでいくのと同じやりとりが、結婚指輪を選ぶ2時間あまりの間にも生まれていきます。そんなやりとりを経て生まれてくる指輪には、二人で選んだという納得感と、どんなにすごいブランドやデザイナーであっても絶対にこめることができない、二人だけの思い出やお互いを想う気持ちがこもっていると思います。
そこには、お二人にとって満足という言葉以上に、大切な意味が生まれているのかもしれません。
ひとつひとつに向き合うからこそ
このようなかたちで、男女どちらか一方でなく、男性も女性も、これでよかったね!と思える指輪作りに取り組んでいますが、アトリエでお客様をお迎えするithのつくり手たちは、そのご夫婦らしさや、お二人ならではの個性を感じとりながら、それぞれのお客様とその指輪づくりに向き合っています。
お客様それぞれの思いを通じて生まれた指輪や、そのやりとりをちょっとでも紹介したいと、2014年にithが始まって以来、アトリエブログというかたちで情報発信に取り組んでいますが、つくり手ひとりひとりがその人ならではの言葉で、自分自身が対応したお客様の指輪や印象に残ったエピソードなどを綴っています。
情報発信が得意な人、そうでない人、なかなか筆が進まない人等々、つくり手にもいろんなタイプがいるのですが、ひとつ言えるのは、そのつくり手が一組一組のお客様とその指輪づくりに真剣に向き合っているからこそ、それを文章にして書ける、ということです。
ithのつくり手の多くは、担当したお客様の指輪をかなり具体的に記憶していて、そのことを題材にithの紹介Movieを作成しましたが、そういうことができるのは、指輪自体のデザインや特徴を覚えるというよりも、その指輪をつくるためにお客様と過ごした時間や、やりとりと結び付けて、生まれてきた指輪を捉えているからではないかと考えています。
大切なことは、お客様に100%の満足やそれを超えるような意味をお届けできるかですが、そのためにやはり一組一組のお客様に、ひとつひとつの指輪に真摯に向きあうことが、私たちにとって大事なのだろうと思います。
ith 吉田