ithでは100種類以上のコレクションリング制作をはじめ、フルオーダーメイドのジュエリー制作や、お気に入りのデザインにアレンジを加えるカスタマイズも承ることができます。
“フルオーダーで指輪を作りたい!” と初めから意気込まれていたわけではないのに、ご要望を紐解くうちに、気づけば自然とオーダメイドデザインが形になっていた…というお客様もちらほら。
今回ご紹介するのは、普段はあまり訪れない表参道の街で、ふらりとithを覗いてくださったお二人のエピソードです。
初来訪時に、かわいらしいリボンやお花のモチーフや、個性的な指輪に惹かれたことをきっかけに、オンリーワンのデザインが完成したストーリーを辿ってみましょう。
誕生花の桔梗をモチーフにした、オーダーメイドの婚約指輪
初回のお打ち合わせで、女性の心を捉えたのはリボンモチーフの婚約指輪でした。
しかし、デザインが若すぎるのでないかと気にされ、“お花のデザインを入れられますか?” とご質問をいただきました。
ithにはお花や植物をモチーフにした婚約指輪がたくさんあります。
それらを参考に具体的なイメージを掘り下げていくと、女性が思い描かれているのは抽象的なモチーフではなく、婚約指輪の《ブーケ》にあしらわれるような、はっきりお花だと分かる造形でなのだと明らかになりました。
具象的なデザインがいいけれど、これと言って思い入れのあるお花があるわけでもない…。
そんなお気持ちの女性へ、ちょっと珍しい “特殊ファセットダイヤモンド” を指輪にお留めできることをご紹介することに。
ithでは桜・ひまわり・桔梗、加えて雪の結晶・星の5種類のパターンが刻み込まれた意匠性の高いダイヤモンドをご用意できるのです。
女性は5種類の中で、シックな桔梗のカットに関心を寄せてくださいました。
はっきりお花だとわかるデザインと、桔梗というキーワード。お打ち合わせで浮上したイメージを元に、お二人とのフルオーダーメイドの婚約指輪制作が始まりました。
オリジナルデザインのご提案
調べてみると、奇しくも女性のお誕生花は、ベル型の花びらがかわいらしいオトメギキョウでした。モチーフを桔梗に定め、具体的なデザインを職人と相談しながら考案することに。
職人から挙がったアイディアは、 “プラチナでお花を作るだけでなく、アメシストを留める” というものでした。これをきっかけに、紫色のアメシストを活かして、オトメギキョウらしさを引き立てるデザインをお二人にご提案しました。
実はアメシストは、2月のお生まれである男性のお誕生石。
女性の誕生花と、男性の誕生石が同じ紫のお色味であることに、運命を感じてしまいます。
女性は、“大きいお花がしっかりラッパの形にできることが嬉しいです!そしてすごく可愛いです!” ととても喜んでくださり、サンプルリングを制作してご確認いただいた上で、本制作を行いました。
両サイドにはアメシストをアシンメトリーに3石。はっきり桔梗だと分かるよう、ベル型の花びらの石座にお留めしました。
可憐なオトメギキョウのモチーフに、紫色が大人びた印象を添えてくれます。
メインとなるダイヤモンドは、もちろん桔梗の特殊カット入りです。ほんのりはちみつ色を帯びたお色味も、くまのプーさん好きと仰る女性にとってお気に入りのポイントとなりました。
膨らませたイメージから生まれた、お二人だけのデザイン
婚約指輪らしさを保ちつつ、他にはないお二人らしさがギュッと詰まった、世界中でたったひとつの仕上がりに。
指輪の内側には、お二人のお名前も彫り込み、5月の誕生石であるエメラルドもお留めしましました。
オトメギキョウの花言葉は “感謝”・“誠実”、そして “楽しいおしゃべり” です。素敵な花言葉も、特別感を高めてくれますね。
初めから希望されていたわけではないけれど、お二人希望を叶えてくれたオーダーメイドの婚約指輪づくり。まさにつくり手とお二人の “楽しいおしゃべり” から生まれたデザインでした。
言葉や形が見えなくても、ぼんやりと二人の内側に宿るイメージに気づいた方は、ぜひ一度ithのアトリエへご相談ください。つくり手がお二人のイメージを形にするお手伝いをいたします。