アトリエスタイルのジュエリーショップ

女性職人のアトリエから生まれたithですが、最近はithと同じようにアトリエ/工房をイメージしたクラフト感のあるお店も随分増えてきました。
ithに限らず、すべてのジュエリーは工房から生まれていきます。価値や魅力を生み出す原点となる場所で、つくる人と身につける人とが、できるだけ近くでお互いの存在が感じ、リスペクトしながらものづくりを行うことで、深い喜びや感動が生まれる。
工房/アトリエというのは、そんな特別な場所だと思っていますが、ジュエリーに限らず、そういう想いでものづくりに取り組む方々が、世の中に増えていくのは嬉しいことだなと思っています。
自ら体験できるセルフメイド型が流行

アトリエ系のお店の中にもいろいろな特色がありますが、このところ特に増えてきているのは、自分たちの結婚指輪を自分たちでつくるセルフスタイルのハンドメイドショップです。
お店ごとに色々とやり方はあると思いますが、通常スタッフや職人さんのサポートのもと、リングづくりを体験しながら自分たちの結婚指輪をつくっていきます。
自分たちのものを自分たちでつくる、というのは素敵なことですし、体験自体が楽しい思い出にもなります。
私たちの会社も元々ジュエリースクールからスタートしていますから、結婚指輪と言わずとも、多くの人にぜひ一度ジュエリーづくりを体験してほしいと思います。自分自身でジュエリーづくりを体験してみることで、ジュエリー自体の魅力をもっと深く理解できるのではないかと思います。
ithでも、一人一人にリングをより理解してもらうために、職人以外のスタッフにもできる限りジュエリーメイキングを経験してもらうようにしています。
プロの仕事が生み出す感動

セルフ体験型の結婚指輪づくりにも魅力があるのですが、ithでは、お客様と'つくり手が一緒につくるオーダーメイドの結婚指輪'ということで、お客様とつくり手で理想のカタチを探し、それをプロの職人が仕上げるというアプローチをとっています。
職人は、彫金机に座り、毎日毎日繰り返し繰り返し、一つ一つの指輪づくりに向き合っています。
毎日の作業はけして楽なものではありません。限られた時間の中で一定の数と精度を求められるプレッシャーのかかる作業です。
バランスを保ってフォルムをつくる、繊細な表情を気にしながらテクスチャを施す、シャープな輝きがでるように彫りを打つ。多くの人にとって馴染みの薄い世界かもしれませんが、指輪という小さな造形物にきちんと仕事を施すための技術や能力、そこに注ぐ集中力が並々ならぬことは、想像に難くないでしょう。
先日引退を表明したイチロー選手が、一打席一打席の積み重ねの結果、人の心を震わせる記録と記憶を残したように、職人たちも日々の仕事を積み重ねることで自らの技量を高め、それによって一つ一つの指輪に価値を宿していきます。
プロ野球選手のように陽の当たる仕事は少ないかもしれませんが、どんな仕事でも日々コツコツと何かに向き合いながら培ったものには、付け焼き刃では得られない何かが宿るのだと思います。
そして結婚指輪という特別なものだからこそ、人生をかけてそこに取り組むプロの職人が仕事を施すことで、他にはない感動が宿されるのではないかと思います。
お客様の思いを叶えるために、プロが持てる力を存分に発揮する。
そのことによって、お客様に、そしてそこに携わる私たちにも感動が生まれる。
それが私たちの考える、'お客様と一緒につくる'という在り方なのだと思っています。
ith 吉田