「着けてみないとわからない」と始まった指輪選び。
普段のお好みはバラバラだとおっしゃっていたお二人。
「お揃いにしたいなぁ」
「じゃあ合わせていこうか!」
お二人で会話を重ねながら、指輪選びの
軸となる”お揃い感”が最初に決まりましたね。
時間をかけてお二人でデザインをした指輪は
お揃い感と経年変化を楽しめられる指輪でした。
試着の意味
ただ、「揃えたい」とは言ったものの、
男性は、プラチナで光沢、
甲丸で洗練されたシンプルなテイスト、
女性は、ゴールドでマット、
平打ちで温もりのあるテイスト
試着をしていく中で見えてきたお好みは正反対でした。
どうにか二人の好みが重なる部分はないかと
もう一度試着し直したり、アレンジを見てみたり。
やっと出会えたのが槌目の指輪でした。
二人の形
春の麗らかさや初夏の新緑の薫る風をイメージした
柔らかな槌目模様が特徴です。
お互いに歩み寄り、気持ちを合わせて
たどり着いた指輪は
春に入籍を迎えられるお二人にぴったり。
互いの個性の中に槌目という共通点を取り入れることで
一番最初にご希望されていた”お揃い感”も
叶えることができました。
育てるテクスチャ
「形が違うけど、お揃いに見えるかな?」
最後にふと、不安げな表情がみえました。
今は馴染みがなくても
指輪と一緒に日々を積み重ねることで
マットは磨耗して艶っぽく、
艶やかな表面は小傷で落ち着いていきます。
夫婦のように、指輪もお互いにどんどん似てくる
デザインだと、お話をさせていただきました。
永く、指輪を使い込んでいくほどに、
お二人の指輪はそっくりになっていきます。
そろそろ指輪にも慣れてきた頃でしょうか?
春を迎えるたび、近づいていく指輪の風合いを
楽しんでもらえると嬉しいです。
つくり手 前田