「クラフト感のあるものが好きなんです。」
指輪をご試着しながら、
そうおっしゃった女性。
はじめは表面に凹凸があったり、
目で見てわかるクラフト感がお好みでしたね。
ですがご試着しながら、
「この指輪がどんなデザインなのか。」
「どのように作られたのか。」
ひとつひとつ知っていくたびに、
“クラフト”の感じ方が変わっていきました。
目で見てわかる模様だけではなく、
その作りの過程に
クラフトを感じ始めたお二人。
最後に気に入った指輪は、《アレグロ》。
ithのはじまりのときから、
大切にしてきた指輪のデザインです。
《アレグロ》は、
一見シンプルな2面のデザインですが、
ひとつひとつ指のサイズに合わせて
1面1面を作りだしていく
作りが難しいデザインです。
指輪の形が崩れてしまわないよう
0.1㎜にこだわり磨き上げていく過程は、
まさに職人の手仕事。
シンプルだからこそ、
ものづくりへのこだわりが
光ってみえてきます。
その《アレグロ》の形に、
“ホーニング”というつや消しを
アレンジとして加え、
職人の想いに魅力を感じる結婚指輪が
完成しました。
ホーニングも
一見シンプルなつや消しですが、
その制作過程には
さまざまな職人の手仕事が
隠されています。
私が話す職人や工房のお話しを、
最後まで楽しそうに聞いてくれたお二人。
シンプルだからこそ想いは伝わるのだと、
お二人との指輪選びを通して
改めてそう感じることができました。
ご納品でも完成した指輪もみて、
ニコニコ素敵な笑顔で
喜んでくださいましたね。
完成した指輪は、
お二人、私、制作した職人、
たくさんの人の想いがこめられた
世界にひとつのもの。
これからも指輪とともに、
笑顔が絶えないお二人でいてくださいね。
またお会いできる日を、
アトリエで楽しみにしています。
つくり手 / 平島