はじまりは、半年前の結婚指輪のお仕立てから
こちらのご家族とのご縁のはじまりは、結婚指輪のお仕立てを担当させていただいたことでした。
結婚指輪のご納品から半年が経ったある日、男性のお母様がアトリエへお越しに。
若いご夫婦の結婚指輪がダイヤのないシンプルなデザインであること、そして婚約指輪は高価なため購入には至らなかったこと。結婚指輪の話を耳にしたお母様は、
“とてもいいお嫁さんだから、ぜひダイヤのついた指輪をプレゼントしたい”
と私に想いを打ち明けてくださいましたね。
そして、せっかくなら指輪を気に入って着けてほしいけれど、好みが分からないことのことで、後日お嫁さんと一緒にご相談することが決まりました。
お二人で一緒に進める指輪選び
お母様と女性がお二人でお越しくださったご相談の日も、
“とっても素敵で可愛いお嫁さんが来てくれて”
と嬉しそうなお母様。
結婚指輪のご相談の際には婚約指輪は試着されていなかったため、全てのデザインをひとつひとつご試着いただくことからスタートしました。
選び方がわからず悩んでしまう女性でしたが、お母様もじっくり指輪をご覧になり、意見をいただきながら一緒に指輪選びを進めます。
タイプの違うふたつのお気に入り
まず候補に挙がったのは《オペラ》。
小ぶりなサイズのダイヤモンドが均一に並ぶ
ハーフエタニティのデザインです。
《オペラ》は、男性が “こういうのがいいかも” とおっしゃっていたデザインだそう。
大きなダイヤモンドではないからこそ、日常で身に着けやすいところを女性も気に入ってくださいました。
もうひとつ、指に通した瞬間に女性のお顔が明るくなり、お気に入りの指輪となったのが《コロネット》です。
全体に金属をたっぷり使った、コロンと丸く、ボリュームのあるデザイン。女性が気に入ったのも、着けたときの “重厚感” でした。
サイドのメレダイヤモンドが彫り留めで留められており、引っかかりのないデザインのため “永く着けられそう” とお母様もひと押し。
婚約指輪らしい“特別感”を大切に
《オペラ》はカジュアルなイメージだとおっしゃるお母様。
比べて《コロネット》は、中央に大きめのダイヤモンドが留まる、婚約指輪らしいデザインです。
女性は、お母様の意見を尊重しつつ、結婚する今だからこそ選ぶことができる、婚約指輪らしい“特別感”を大切にすることに。
安心して身に着けられる石留めと、年齢を重ねてもお手元に合う重厚感も決め手になりましたね。
女性の好みとお母様のお気持ちの、どちらも込められた素敵な指輪に辿り着きました。
ジュエリーに想いを込めて
ithの指輪制作期間は約2ヶ月必要なことを考慮して、指輪の完成を女性のお誕生日に合わせてオーダーをいただきました。
特別なお誕生日プレゼントになりましたね。
一般的に男性から女性へ贈られることの多い婚約指輪ですが、この度は男性のお母様から女性へ、想いを込めたジュエリーとしてithの婚約指輪を贈られることとなりました。
ジュエリーは意味や想いを込められるものだと改めて実感し、そのお手伝いをできたことをとても幸せに思います。
時を重ねても、思い出の指輪がお手元に輝き続けますように。